【生命保険とは?】生命保険の種類を分かりやすく解説【その2】
さて、前回の記事では、生命保険の役割と、基本的な種類について解説しました。
本記事では、いま日本で販売されている主な生命保険商品について解説したいと思います。
主な生命保険商品
死亡・年金・医療のどの保険に該当するかを示すことに加え、なんの目的で加入されることが多いか、(と、私の意見)も記載します。
1. 死亡保険
まず、主な死亡保険の商品は以下の通りです。
- 終身保険
- 利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)
- 平準定期保険
- 定期保険特約付き終身保険
- 逓減定期保険
1-1. 終身保険
シンプルな死亡保険です。終身なので、一生涯保障されます。
保険料が高くなるため、高額の保障額を終身でカバーすることはお勧めできません。なので、用途は自分の葬儀代の保障という感じでしょうか。しかし、自分で預金なり資産運用すれば済むので、私は不要だと思っています。
1-2. 利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)
死亡保険に資産運用機能を追加した商品です。終身なので、死亡は一生涯保障されます。
積立(アカウント)部分で、支払った保険料の一部を保険会社が資産運用してくれ、最低の利率(利回り)が保証されています。
また、積立部分は途中で引き出すこともできます。
【生命保険と資産運用】”貯蓄型”生命保険を買ってはいけない理由で紹介している通り、私は加入してはいけない保険だと考えています。無駄に保険料が高いです。
1-3. 平準定期保険
定期(掛け捨て)の死亡保険です。定期なので、保障される期間が決まっています。
平準とは、保障額が一定であることを意味します。子どもが成人するまでは保険に加入しておこう、というケースなどに有用です。
1-4. 定期保険特約付き終身保険
終身保険部分がベースで、一定期間だけ、定期保険を上乗せしたものです。
2階建ての保険と言われたりします。
上乗せ部分については(定期保険なので)掛け捨てになります。
加入するなら終身保険部分で自分の葬儀代、子どもが成人するまで定期を上乗せ、といった形がいいかもしれません。
1-5. 逓減定期保険
定期なので、保障される期間が決まっている掛け捨て型で、保障額が逓減、つまり毎月減少していきます。
保障額の減り方の見た目から、逆三角形の保険と言われたりします。
保障額が逓減するので、当然、同じ保障期間で見た場合、平準定期保険よりも保険料は安くなります。
子どもが大きくなるにつれ、残される家族に必要な生活費・教育費は減るはずですし、預金や資産運用をしている場合も年々必要補償額は減るはずなので、最も合理的な死亡保険だと考えています。
2. 死亡保険×年金保険
死亡保険と年金保険を組み合わせた保険は、以下の2種類です。
- 養老保険
- 学資保険
2-1. 養老保険
死亡保険と年金保険を組み合わせた商品です。
一定期間内に死亡した場合に、死亡保険金が支払われ、死亡しなかった場合、満期保険金が受け取れます。
預金に死亡保障をくっつけたイメージです。
わざわざ養老保険に入らずとも自分で預金や資産運用をして、もし死亡リスクを移転したければ、シンプルな終身保険に加入すれば十分だと思います。
2-2. 学資保険
親の死亡保険と子供の年金保険を組み合わせた商品です。
親が死亡しなかった場合、子どもの年齢等に合わせて、祝い金や満期保険金が受け取れます。
親が死亡した場合にも、保険料を支払わずとも、祝い金や満期保険金が受け取れます。
子供の教育費用に、と子育て世代に人気かもしれませんが、子どもの教育費は貯蓄して、親の死亡リスクは定期保険で担保すればよいので、親心に付け込んだ商品としか思えません。
3. 年金保険
終身年金保険:生きている限り年金が支払われます。
老後の生活費の足しに、、、と考える気持ちもわかりますが、老後の生活費は資産運用で蓄えたほうが合理的です。ただし、「生命保険料控除」が適用される個人年金保険に、年間保険料8万円まで加入するというのは悪くないと思います。
4. 医療保険
医療保険は、以下の2種類です。
- 終身医療保険
- がん保険
4-1. 終身医療保険
病気やケガ一生涯保障されます。
医療保険全般に言えることですが、日本には「高額療養費制度」という素晴らしい制度がありますので、私は不要と考えています。
先進医療は高額療養費制度の対象外ですが、そもそも先進医療は毎年国が見直すため、来年は先進医療でなくなっている、なんていうことはざらにありますし、
先進医療の症例数は毎年国が公表していますが、驚くほど件数が少ないので、その部分を考えてわざわざ加入する必要はないと考えています。
4-2. がん保険
がんだけを保障する医療保険です。
よく勘違いしている方がいるのですが、医療保険でもがんはほぼ保障されます。
がん保険じゃないとがんは保障されない!だからがん保険と医療保険両方入らなくちゃ!なんてことはありません。
また、がんに罹患した場合でも、先進医療以外は「高額療養費制度」で保障されますので、がん家系の人でも不要だと私は考えています。
まとめ
2記事にわたって、生命保険とは何か、その商品種類について解説してきました。
最後にお伝えしますが、「〇〇保険に〇〇円加入してれば、みんなOK」などという明確な基準はありません。
前回の記事のレストランの例で説明した通り、保険は保障を厚くすればするほど、保険料が高くなります。
その保険料と必要な保障のバランスを考えながら、家庭事情に応じて、必要な保険を自分で考えることが最も大切です。
なぜなら、家庭の事情を最も熟知しているのは皆さんだからです。
よく、FP無料相談!や〇〇窓口など、保険の相談に無料でのってくれるところを見かけますが、他人に任せてはいけません。
皆さんがFPや保険販売員になった気持ちで考えみてください。
それぞれが、成約しないと販売手数料が入らない、会社からは〇〇保険販売数のノルマがある、といった思惑を抱えていることでしょう。
そんな状況下で、のこのこと何も知らない人が自らやってきて、助けてください、私にぴったりの商品を選んでください、と泣きついてきたとします。
…悪魔の囁きが聞こえないでしょうか。
もちろん、真摯に相談者の事情を理解して、最適な保険をお勧めしてくれる方もいると思います(と思いたい)が、万人がそうとは言えないのがこの世の中です。
保険は、自分や大切な家族の生活を守るうえで必要な商品です。
だからこそ、その商品の購入の検討は他人に任せずに、自分でしっかりと行うことが大切なのです。
本記事に記載されていない生命保険商品で、これはどういう商品なの?など質問がございましたら遠慮なくお問合せください。わかる範囲でお答えいたします。
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