【シンガポールリート】Ascendas India Trustについて

【シンガポールリート】Ascendas India Trustについて

どうもTatsuoです。

安定した配当や地理的分散が魅力的なシンガポールリートですが、今回は、シンガポールリートの中でもインドに特化したAscendas India Trustをご紹介します。

Ascendas India Trustは仕組み上、ビジネストラストという形態をとっていますが、実態はリートですので、シンガポールリートとして記載します。

ちなみに、Ascendas India Trustはアイザワ証券で取り扱いがあり、日本から投資することもできますので、日本にお住まいの方もぜひご覧ください。

なお、本記事は、Ascendas India Trustが発表したスライドに記載された情報に基づいて記載しております。

プレゼンスライドは下記リンクからダウンロードできます。
Ascendas I-Trust

ポートフォリオの特徴

さて、まずポートフォリオ構成から見ていきます。
A-IT PF

表から読み取れるように、ポートフォリオの大半 (約95%) はITビジネスパーク(IT企業をターゲットにした、オフィスや商業ビルの複合施設)で、残りの5%がLogistics物件となっています。

ITビジネスパークに大きく依存するポートフォリオとなっていますが、今後の収益源の多角化のため、現在、Logistics物件の開発・買収に注力しています。

また、株主総会での質疑応答の中では、さらなる収益源として、IndustrialやData Centerへの投資も検討しているとの発言もありました。

収益の推移

下のグラフは、2010年から2020年までの収益の推移を示しています。
PF Growth
基本的に右肩上がりで、安定して成長を続けていることがわかります。

配当に対するスタンス

Ascendas India TrustのFinancial Statementを見ると、以下のように記載されています。

Distribution Policy

a-iTrust’s policy is to distribute at least 90% of its income available for distribution. a-iTrust retains 10% of its income available for distribution to provide greater flexibility in growing the Trust. a-iTrust makes distributions to unitholders on a half-yearly basis for every six-month period ending 30 June and 31 December.a-iTrust Announcement of Results for the Financial Year Ended 31 December 2020

つまり、Ascendas India Trustは、ビジネストラストという形態をとりつつも、他のシンガポールリートと同じように、配当可能収益(income available for distributio)の90%を配当として還元することを掲げているのです。

シンガポール所在物件を有するシンガポールリートは、制度上、税制上の優遇措置を受けるために、課税所得の90%以上を配当として還元することが求められています。
参考:Reit Association of Singapore

配当可能収益について

Ascendas India Trustの配当可能収益は以下の通りです。

Income Available for Distribution

As a business trust, a-iTrust computes distribution to unitholders based on cash flow generated from operations, rather than accounting profit. To derive the income available for distribution, adjustments are made to ordinary profit before tax to remove primarily non-cash accounting entries.a-iTrust Announcement of Results for the Financial Year Ended 31 December 2020

上の文言をまとめると、Ascendas India Trustにおける配当可能収益は、会計上の利益を、より実際のビジネスから生まれたお金の流れに即した形に修正したものであるということです。

このような修正がなされる理由は、会計上の利益には、利益の計算には含まれるものの実際のお金は増減しない、減価償却費といった項目や、売却損益といった一過性の損益も含まれてしまうためです。

Tatsuo
Tatsuo

要は、本業で稼ぐ力に基づいて配当を支払う方針ということですね。

実際の配当履歴

Ascenda India Trustの実際の配当の履歴は以下の通りです。
a-iT DPU

インドルピー安(シンガポールドル高)傾向が続いていますが、近年は安定して右肩上がりの配当支払いとなっています。

バリュエーション

実際の資産価値に対する、株価はどうなっているでしょうか。

現在、Ascendas India TrustのAdjusted NAV (Net Asset Value; 一株当たり純資産価格) はSGD 1.38となっています。

現在の株価がSGD 1.4近辺で推移していますから、NAV倍率 (株価÷NAV) は1倍弱となり、割安な状況であると考えられます。

また、一株あたり配当 (DPU) はSGD 0.083なので、現在の株価水準では配当利回りが6.0%を超えています。

まとめ

本記事では、Ascendas India Trustの概要についてまとめました。

私は、以下の3点から、現状、Ascendas India Trustは魅力的な投資先だと考えています。

  • 収益と配当の安定した増加傾向
  • LogisticsやIndustrialといった成長分野への投資拡大による成長期待
  • 高配当利回りと株価の割安感

というわけで、今後の動向に注意しつつ、買い増ししていきたいと思います。