【シンガポールで投資】シンガポールの国外源泉所得に対する所得税について【外国株】

どうもTatsuoです。

【二重課税と租税条約】外国株式に投資する際に考慮すべき課税制度についてでも解説したとおり、日本では、海外株に投資する場合、配当金に対して二重課税が生じます。

一方、シンガポールから投資をする場合、個人が外国株に投資をしても、配当金の二重課税は生じません

これは、シンガポールがとる所得税体系が日本とは異なるためです。
本記事では、シンガポールがとる所得税体系について簡単に解説します。

シンガポールの個人所得税体系

属地主義と属人主義

シンガポールは、属地主義と呼ばれる税体系をとっています。

属地主義とは、国籍にかかわらず、その国に居住する人に対して課税するという考え方です。

つまり、シンガポールで税法上の居住者となっている限り、シンガポールでの所得税の課税がなされます。
(ちなみに、日本も同じく属地主義です。)

一方、米国は属人主義の税制度をとっており、米国国籍を有する人に対しては、どこに住んでいてもどこで得た所得であっても、米国での納税義務があります。

シンガポールにおける課税対象所得

シンガポール居住者が支払うべき所得税の対象となる所得は、国内(シンガポール)源泉所得のみと定められています。

つまり、国外(シンガポール以外)源泉所得は非課税です。

当然、日本の外国税額控除のような概念もありません。

個人の国外源泉所得が非課税であるため、日本で配当金を受け取る際に生じるような、二重課税は生じないのです。

外国株式の配当金に対する課税

上述した通り、シンガポールは国外源泉所得は非課税です。

そのため、シンガポール国外の株を所持することよって生じた配当金に対する納税は、現地(配当所得が発生した場所)での源泉徴収に従うことになります。

例えば、シンガポール在住者が米国所在企業の株に投資したとしましょう。

配当金が発生した場合、シンガポールでは課税されず、米国の源泉徴収税率 (30%) が適用され、米国で徴収されます。

租税条約との兼ね合いについて

シンガポールと租税条約を結んでいる国の企業に対して投資した場合、配当金にかかる税率はどうなるのでしょうか。

結論から言うと、租税条約の制限税率は無視され、投資先の国の源泉徴収税率が適用されます。

例えば、オーストラリアはシンガポールと租税条約を結んでいます。

二国間の租税条約において、オーストラリア所在企業がシンガポール居住者に支払う配当金の制限税率は15%と定められています。

しかし、オーストラリア所在企業の株にシンガポール在住者が投資した場合、そこで発生する配当金には、オーストラリアの源泉徴収税率、30%が課せられます。

Tatsuo

還付を受けたい場合、オーストラリア当局に対してクレームすることになりますが、オーストラリア非居住者が還付を受けられるかは不明です。

これは、シンガポールが、そもそも個人の国外源泉所得を非課税としており、外国税額控除のような制度を持っていないからです。

つまり、租税条約を上回る税率が適用されても、それをクレームし、シンガポール当局から還付を受けるしくみがないため、投資先の国の源泉徴収税率がそのまま適用されざるを得ないのです。

このように、シンガポールから外国株に投資をする場合には、租税条約で制限税率が定められてるとしても、現地の源泉徴収税率に従う必要が出てくることは、心に留めておくと良いでしょう。

まとめ

シンガポールの国外所得税制度について解説しました。

日本のように、配当金への二重課税が生じないのは非常に魅力的ですね。

シンガポールに在住している間は、配当・国外源泉所得が非課税となるメリットを活かし、源泉徴収のない、もしくは税率の低い国に所在する企業(英国など)に投資をしてみるのも良いのではないでしょうか。