【所得税Part1-1】所得税の概要解説【所得税の仕組みに詳しくなろう!】

【所得税Part1-1】所得税の概要解説【所得税の仕組みに詳しくなろう!】

どうもTatsuoです。

ここ最近、投資の記事ばかりになっていたので、久しぶりに投資以外、所得税についての記事を書いてみました。

所得税の仕組み、複雑ですよね。完全に理解できている人って、なかなか少ないのではないでしょうか。

かくいう私も、調べては忘れを繰り返しです。

全ての内容を一記事にまとめるのは難しそうなので、大きくパート1、パート2に分けて書いていきます。

パート1では、所得税の基本的な仕組みについて、資産運用に焦点を当てながら解説します。日本国内外、どちらに住んでいても当てはまる内容です。

続くパート2では、海外居住者に焦点を絞り、日本帰国後を見据えて理解しておいた方が良いと思われるポイントを解説します。

というわけで、本記事では、パート1-1として、所得税の概観をまとめます。

所得と収入

所得税の話に入る前に、所得と収入という言葉について、少し触れておきましょう。

所得と収入、似ているようで、実は少し違います。

収入とは、いわゆる年収というもので、サラリーマンであれば雇用主から支給される金額全体を指します。

一方、所得とは、(ざっくりいうと) 収入から必要経費や、税金計算上控除できる控除額を除いた値です。

所得税計算は、所得をベースに行われます。

Tatsuo
Tatsuo

ちなみに「手取り」は、年収から社会保険料等の税金を引いた金額です。

所得税とは

下の図は所得税計算の概念図です。

所得税概念図

なんだかたくさん所得の概念が出てきていますが、企業に勤める多くの人に関係する所得は、おおむね以下の通りです。

  • 利子所得:銀行預金の利子所得など
  • 配当所得:株式の配当所得など
  • 給与所得:会社からの給与・賞与
  • 雑所得:公的年金、個人年金保険の保険金、為替差損益など
  • 譲渡所得:株式売却益など
  • 一時所得:生命保険金など

だいたい、上記概念図の上部に集まっていますね。

これらの所得の合計が、所得税算出のベースとなる所得金額なのです。

確定申告を行ったことがある方は分かると思いますが、確定申告入力フォームは、まさにそれぞれの所得ごとに収入や経費を入力し、総所得金額を計算するフローとなっています。

総合課税と分離課税

まず、概念図の一番左に出てくる総合課税と分離課税から見ていきましょう。

総合課税

総合課税とは、配当所得や給与所得等、各種所得を全て合計して総所得金額を計算し、総所得金額に税率をかけて課税する方法のことをいいます。

所得税は原則、総合課税をとっています。

概念図からの抜粋になりますが、総合課税の対象となる所得は以下の通りです。

  • 利子所得 (海外金融機関での預金の利子)
  • 配当所得 (非上場株式の配当など)
  • 給与所得
  • 雑所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 譲渡所得 (土地建物や株式等の譲渡以外)
  • 一時所得

分離課税

所得税は原則、総合課税だと述べましたが、一部の所得については、例外として分離課税が認められています。

分離課税とは、総合所得金額に含めずに、その所得だけに対して個別に税率を適用して課税する方法のことをいいます。

分離課税には、これまたややこしいのですが、確定申告が必要な申告分離課税と、確定申告が不要な源泉分離課税があります。

前者の申告分離課税の対象となる所得は、

  • 山林所得
  • 退職所得
  • 土地・建物に係る譲渡所得 (短期および長期)
  • 株式等に係る譲渡所得 (一般株式・上場株式)
  • 上場株式等に係る配当所得
  • 先物取引に係る雑所得等

です。

後者の源泉分離課税の対象となる所得は、利子所得 (国内金融機関での預貯金の利子・一般公社債の利子)のみです。

  1. なお、上場株式等の配当所得は原則は総合課税なので、申告分離課税の対象所得ですが、総合課税を選択することが可能です。
    申告分離課税は、例外的な納税者 (総合課税での所得税率が高い人)に有利となる措置です。
  2. ほとんどの国内金融機関での預貯金の利子は、毎年2月と8月に振り込まれます。この金額は、既に銀行側で所得税を源泉徴収した後の金額です。
    そのため、源泉(徴収されたので)分離(していいよ)課税となっており、確定申告が不要です。
  3. 一方で、海外金融機関での預金の利子は、源泉徴収がされていません。従って、総合課税として確定申告が必要です。この点はパート2で詳しく解説します。

まとめ

本記事では、所得税の概観として、所得の分類について解説しました。

次回はパート1の2として、総合課税の対象所得についてより詳しく解説するとともに、実際に所得税計算をしてみたいと思います。

Tatsuo
Tatsuo

よく資産運用において総合課税は損だとされるのですが、その理由が理解できるようになります。お楽しみに!