【保険の選択】加入すべき保険・加入すべきでない保険【子育て家庭におすすめ】

【保険の選択】加入すべき保険・加入すべきでない保険【子育て家庭におすすめ】

どうもTatsuoです。

本記事では、20-30代の子育て家庭(子どもが比較的小さい)向けに、どのような保険に加入すべきでなく、どのような保険に加入すると良いか、保険のプロの目線で解説します。

なお初めに断っておきますが、本記事では、「とりあえず〇〇保険に〇〇円加入してればOK」というような勧め方はしません。

Tatsuo
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ご家庭の懐事情に応じて、必要最低限の保障を組み合わせてみてください。

本記事で保険を検討するにあたって

本記事は、20代から30代というライフステージの比較的早期段階で、十分な金融資産がない方を対象にしています。

なぜなら、十分な金融資産があるのであれば、わざわざ保険料を支払ってまで保険に加入する必要がないからです。

また、資産運用という観点ではなく、リスクの移転という観点から保険を検討します。

【生命保険と資産運用】”貯蓄型”生命保険を買ってはいけない理由でも書いていますが、保険の本質はリスクの移転です。

保険料を支払うことで、自分の代わりに保険会社にリスクを負担してもらう(移転する)わけです。

したがって、本記事では、若い人たちが、何のリスクをどの程度保険会社に移転すべき(=どの保険商品をどの程度の保障・補償額で加入すべき)で、
反対に何のリスクならば移転しないでよい(自分たちでリスクを保有できる)のかを検討する際の手助けになるような情報を提供することを目的とします。

Tatsuo
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必要なリスクだけを移転して、ムダな保険料支払いを減らしましょう!

加入すべき保険商品

20代から30代の比較的若い段階で加入を検討する(=保険会社にリスク移転しておく)と良いと考えられる保険商品は以下の5つです。

  1. 逓減定期保険・平準定期保険
  2. 個人年金保険(年間保険料8万円まで)
  3. 個人賠償責任保険
  4. 自賠責保険・任意自動車保険
  5. 火災保険(持ち家)・家財・借家人賠償責任保険保険(賃貸)

最初の2つは生命保険、残りの3つは損害保険です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 逓減定期保険・定期保険

定期保険では、一家の大黒柱の死亡リスクを移転します。

20-30代で家庭を持っており、かつ主たる生計維持者が1人である場合、その人の死亡に伴う遺族の生活費保障は必ず用意しておいた方がよいです。

むしろ私は、生命保険はこれだけでも良いと考えています。

Tatsuo
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私は結婚した際、保険料の安さから損保ジャパンひまわり生命の逓減定期保険に加入しました。昨年子どもが生まれたので、一番安い保険会社の定期保険か逓減定期保険に追加で加入しようと考えています。

死亡リスクの保障をしてくれる保険商品は色々ありますが、最も合理的なのは逓減定期保険です。

逓減定期保険は、年々保障額が減少していくタイプの掛け捨て型死亡保障です。
保障額が年々減少するため、保険料もその分安く済ませることができます。

子どもの成長や配偶者の加齢に伴い、必要となる金額は年々減ってくるため、逓減定期保険は最もお勧めできる商品です。

一方の平準定期保険は、保障額が一定の掛け捨て型死亡保障で、〇〇歳までは必ずXX円の保障が欲しいという場合に有効です。

目的に応じて逓減定期保険と定期保険を組み合わせることも有効的だと思います。

例えば、

  • 定年(60歳)までは2,000万円の平準定期保険に加入(=配偶者のための死亡保障)
  • 子どもが生まれたら、子どもの成人まで逓減定期保険に加入(=子どものための死亡保障)

というように、家族構成の変化に合わせて柔軟に保障を組み合わせるというのもお勧めです。

2. 個人年金保険(年間保険料8万円まで)

個人年金保険はリスク移転のためではなく、節税の観点から加入を検討してもいいと考えます。

日本には生命保険料控除という制度があります。

この制度の対象となっている個人年金保険に加入すれば、年間保険料8万円(=月額6,666円)を上限として、総所得金額から年間最大で所得税は4万円、住民税は2.8万円を控除することができます。

これは、所得税率が20%の方なら、年間で所得税が8千円、住民税(課税総所得金額に関わらず一律10%)が2.8千円安くなる計算です。

所得税率がもっと高い方だと、より節税できます。

もし節税の観点から個人年金保険に加入する場合は、最も利率が良い商品に加入しましょう。

「個人年金保険 利率」と検索すると、いろいろな商品が出てきます。

私がざっと調べた限りでは、保険会社ではないですが、JA共済のライフロードという商品が最も利率が高かったです(2020年12月末時点)。

それでも利率0.5% – 0.75%程度です。
個人年金保険で資産運用しようとしても大して増えません。

個人年金保険は、あくまで節税の観点からおすすめしているだけであり、無理をしてまで加入する必要はないと思います。

Tatsuo
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利率とは、保険料全てに係る値ではありません。利回りと利率の違いはこちらの記事を参照ください

3. 個人賠償責任保険

さて、ここから3つは損害保険です。

個人賠償責任保険は、日常生活において、他人にけがをさせてしまったり、物を壊してしまったことに対する賠償責任を補償してくれる、とても重要な保険です。

例えば

  • 自転車に乗っていて、誤って他人とぶつかり、けがをさせてしまった
  • ペットの散歩中、ペットが他人を噛んでけがをさせてしまった
  • 洗濯機のホースが外れ、下の階の部屋を水浸しにしてしまった
  • 買いもの中、子どもが誤って商品を落として割ってしまった

など、日常生活で起こりうる様々な事故を補償してくれます。

個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険に「特約」という形でセットで付帯されているケースが多いです。

車をお持ちの方は、自動車保険の補償内容を確認してみてください。

自動車保険なら、補償額無制限(=いくらでも補償する)というケースもあり魅力的です。

家をお持ちの方は、加入している火災保険の補償内容を確認してみてください。

賃貸の方は、家財・借家人賠償責任保険に加入していると思いますので、その補償内容を確認してみてください。

なお、損害保険は二重に保険金を受け取ることはできません

すでに加入している自動車保険や火災保険等の個人賠償責任保険特約で、十分な金額の補償が提供されていれば、他の保険では個人賠償責任保険特約を解除することをお勧めします。

Tatsuo
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自転車事故では、近年、数億円単位の高額の賠償金の判決が出ています。最低でも1億円は補償額を準備しておいた方が良いと思います。

4. 自賠責保険・任意自動車保険

車をお持ちの方は自賠責保険に加入していますが、それと併せて必ず任意自動車保険にも加入しましょう。

加入はネット系の損害保険会社が保険料が安くておススメです。

どの保険会社でも大体同じような補償内容になっていますので、特筆すべき点はあまりありませんが、「弁護士費用特約」は付帯することをおススメします。

事故の加害者になってしまった時のみならず、被害者になった時にも弁護士に相談でき、かつ、相手方の保険会社との交渉も任せられますので、肉体的にも精神的にも負担を軽減できて助かります。

Tatsuo
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私の家族は以前事故に遭った際、弁護士費用特約を付帯していたおかげで、相手方保険会社との交渉を全て任せることができ、治療に集中することができました。

5. 火災保険(持ち家)・家財・借家人賠償責任保険保険(賃貸)

住まいに関わるリスクを移転する保険です。

家の契約をする際、持ち家の方は火災保険、賃貸の方は、家財・借家人賠償責任保険に加入されているかと思います。

個人の火災保険はお住いの物件の場所(川の近くか否か)や建物の構造(木造か等)によって保険料が決まってきます。

補償内容も各社似たようなものですが、保険料を安くしたい方は、例えばマンションの上層階にお住まいなら、水災補償を外すといったことを検討すると良いと思います。

火災保険に加入する際のポイントは、「保険金額=保険価額」となるように設定する、もしくは、「評価済保険」に加入することです。

そうしないと、万が一の事故の際、思っていたような補償を得られなくなってしまいます。

Tatsuo
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火災保険に加入する際のポイントについては、別の記事で詳しく解説したいと思います。

火災保険を検討する際、地震保険を付けるかについては、悩ましい選択です。

というのも、地震保険は「時価額」が支払いの限度となるほか、損害の程度によって支払われる保険金の割合が決まっているため、十分な補償が得られないケースが多いと思われるからです。

海や河川沿いの新築一戸建ての方かつ、ローン支払いの問題がある方などは検討してよいと思います。

賃貸の方は、家財・借家人賠償責任保険に加入していればOKです。

家を借りる際、不動産会社が代理店となっている保険会社の保険に同時に加入させられるケースが多いと思いますが、自分で保険会社を選びたければ、断っても大丈夫です。

保険会社や少額短期保険会社の家財・借家人賠償責任保険に加入することになると思いますが、保険会社の方が、付帯できる個人賠償責任特約の補償額が大きいです。

(少額短期保険会社は規制上1,000万円までしか補償することができません。)

先ほど説明した通り、個人賠償責任保険は非常に重要な保険ですので、賃貸かつ、自動車をお持ちでない方は、保険会社で家財・借家人賠償責任保険に加入し、個人賠償責任保険の特約を付帯することをお勧めします。

Tatsuo
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私が賃貸に住んでいた時は、日新火災(東京海上グループ)の保険に加入していました。保険料が安いうえ、個人賠償責任保険の補償額が1億円と大きかった点が魅力でした。

加入すべきではない保険

さて、ここまで加入すべき保険について解説してきましたが、では逆に、加入すべきではない保険にはどういったものがあるでしょうか。

私が考える「加入すべきでない」保険は以下の通りです。

  1. 終身保険・積立型終身保険・変額年金保険等、貯蓄型の生命保険
  2. 外貨建の生命保険
  3. 医療保険・ガン保険・傷害保険
  4. 自転車保険

1. 終身保険・積立型終身保険・変額年金保険等、貯蓄型の生命保険

【生命保険と資産運用】”貯蓄型”生命保険を買ってはいけない理由 で詳しく説明していますが、貯蓄や資産運用のために貯蓄型の保険に加入するのはお勧めしません。

保険会社に任せず、自分の手で直接貯金、もしくは運用したほうがよっぽど合理的です。

2. 外貨建ての生命保険

これはもう本当に、論外の商品です。

金融庁(保険会社や銀行を監督するお役所)が通達を出すほど、問題視されています。

生命保険会社が低利回り環境に苦しんだ結果、生み出した苦肉の策の保険であり、契約者に外貨の為替変動リスク、運用リスクを押し付ける、とんでもない商品ですので絶対に加入しないでください。

Tatsuo
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外貨建て保険を積極的に勧める販売員や保険代理店も多いので気を付けてください!

3. 医療保険・ガン保険・傷害保険

日本には高額療養費負担制度というありがたい制度があります。

例えば、年収が約370から770万円の方であれば、仮に100万円の医療費が1カ月のうちに発生したとしても、自己負担は約8.7万円で済みます。

医療保険は、「入院日額給付〇〇円」や「〇〇診断で一時金」という保障が一般的だと思いますが、病気にかかるリスクの低い健康な20-30代で毎月数千円の保険料を払い、1カ月最大で10万円もしないであろう医療費を保障する必要があるでしょうか。

しかも、入院5日目以降が対象など、支払い開始までの期間が設けられている商品も多いですが、いまどき、よっぽど大病でもない限り、そこまで長期に入院させてくれる病院はありません。

これらのことから、病気やけがのリスクは自分たちで保有して、その代わりに預金や資産運用にお金を回したほうが合理的であると考えます。

4. 自転車保険

個人保険賠償責任保険に加入していれば加入不要です。

「自転車保険加入義務化」というニュースを耳にしたことがあるかと思いますが、これは正しい表現ではありません。

正しくは、「個人賠償責任保険による賠償資力確保の義務化」です。

これは、近年頻発していた、自転車事故での被害者救済が背景にあります。

自転車事故で思い後遺症を負った被害者が、いざ加害者に損害賠償請求をしても、加害者側に金銭的余裕がなく、結局被害者が救われない、というケースがありました。

そのようなケースを防ぐべく、加害者側に個人賠償責任保険に加入してもらい、損害賠償資力を確保してもらおう、というのがこのニュースの本質です。

そのため、個人賠償責任保険にすでに加入いているのであれば、わざわざ自転車保険と銘打った保険商品を購入する必要はありません。

まとめ

本記事では、20代から30代の人に向けて、加入すべき保険と加入すべきでない保険を解説しました。

少し長くなってしまいましたが、皆さんが保険を検討するときの手助けになればうれしいです。